折り鶴2 折り鶴の想いも一緒にリサイクル

 広島市へは世界中から毎年1000万羽、重さにして約10トンの折り鶴が寄せられます。その折り鶴一羽一羽に折った人の平和への想いが込められています。
 人々の想いが詰まった折り鶴は大切に扱われていますが、折り鶴も年々古くなっていきます。そこで広島市が古くなった折り鶴の活用策を公募し、当社の所属している団体「中国地区製紙原料直納商工組合」の広島部会が応募した案が採用されました。
 折り鶴がノートに生まれ変わるまでの様子を紹介します。
■製紙メーカーへ向けて出発です。
 きれいに分別された折り鶴は、当社で圧縮梱包され約600kgの塊になりました。大事にシュリンク(ラップでぐるぐる巻き)してトラックへ積み込みます。
■パルパーでほぐします。
 製紙メーカーでは折り鶴をパルパーに投入しほぐしてパルプにしていきます。
 (見学当日は既にシートになっていたためこの写真は折り鶴をほぐしたものではありません)

 ミキサーで赤い折り鶴を細かく砕いてほぐしたよね、あれと一緒だよ。
■シート状のパルプを作ります。
 ほぐしたパルプはスクリーン(あみ)で異物を取り除き、シート状のパルプにしていきます。

 しっとりと水分を含んだパルプシートです、赤や青のポチポチが残っています。全体的には少し赤っぽいかな。色々な折り紙を投入しましたが、やっぱり赤が強いんですね。
■抄紙機(しょうしき)へ投入。ワーヤーパートといいます。
 ほぐしたパルプを網の上に流していきます。網の下は余分な水分が流れ落ちていたぞ。

 たらいからパルプを木枠ですくった作業と同じ行程ですよ。
■プレスパートといいます。
 毛布にはさんでさらに水分を絞ります。だんだん紙らしくなってきたぞ。この後ドライヤーパートで乾かしていきます。

 スポンジやタオルで余分な水分をとった作業と同じだぞ。
■カレンダーパートといいます。
 ローラーではさんで紙の厚さを決めます。
 完全に紙です、360度どこから見ても紙です。
■最後のチェックも忘れずに。
 最後の仕上げに、穴あきや異物の混入をチェックしてます。
■ジャンボロールの出来上がり。
 ノートの原紙、ジャンボロールが出来上がりました。
 どんなノートができるか楽しみです。
 今回協力してくれた製紙メーカーの王子特殊紙㈱第一製造所は、富士山のふもと富士市にある製紙メーカーです。
 富士市は製紙業が盛んで、多くの製紙メーカーが富士山の豊富な水を利用して様々な紙を作っています。その中でも王子特殊紙は、その名の通り特殊な紙を作るメーカーとしての地位を築き、芳香紙やファンシーペーパー、コーヒー粕やビール粕を混ぜたコースターなど、楽しい紙を作っています。

 王子特殊紙㈱第一製造所の皆さんご協力いただきまして本当にありがとうございました。